肛門疾患の解説

肛門の五大疾患

一般的に肛門には五大疾患があります。

1.痔核
2.痔瘻
3.裂肛(裂れ痔)
4.肛門周囲膿瘍
5.肛門ガン

痔核

静脈の血流が悪く、うっ血し、さらに静脈が拡張したものが痔核です。発生する場所により、内痔核と外痔核とに分けられます。

内痔核

初めは出血があるだけですが、進行すると痔核が肛門外へ脱出するようになります。初期の痛み、出血、腫れなどの急性症状は、薬を使ったり、お風呂に入ったりして、うっ血や炎症がとれてくればおさまります。しかし、痔核が簡単に脱出したり、脱出した痔核が戻りにくい程度になると、手術が必要となります。

外痔核

突然血の塊ができ、腫れて痛みがあります。薬により治りますが、大きく痛みが強いものは切除するか、血の塊を取り除く必要があります。

日常生活の注意点

  • 便秘をしない。
  • 下痢をしない。
  • 排便時間を短くする。
  • 患部を冷やさない。
  • 肛門をいつも清潔にする。
  • 軽い運動をする。
  • 腹圧のかかる姿勢を長時間とらない。
  • アルコールはやめること。

痔瘻

膿瘍が破れるか切開して肛門の奥と交通した管ができたものが痔瘻です。

薬では治らず、化膿を繰り返し長い間には複雑化したり、がん化することもありますので、手術が必要です。

日常生活の注意点

  • 下痢をしない。
  • 膿瘍は切開を受ける(早い時期に根本手術を受けるようにしましょう)。
  • アルコールはやめること。

裂肛(切れ痔)

肛門が切れたものが裂肛です。
硬い便の通過や肛門の無理な広がりによっておこります。初期では排便時の痛みと少量の出血があります。進行すると、排便後に長時間痛みが続くようになります。また、裂肛は痔瘻になったり、肛門が狭くなることもあります。
薬を使ったり、便秘をしないようにすれば、裂肛はおさまりますが、慢性化したものには手術が必要です。

日常生活の注意点

  • 便秘をしない。
  • 患部をいつも清潔にする。
  • アルコールはやめること。

肛門周囲膿瘍

肛門の奥から細菌が入って、肛門周囲が化膿したものが肛門周囲膿瘍です。

日常生活の注意点

  • 下痢をしない。
  • 膿瘍は切開を受ける(早い時期に根本手術を受けるようにしましょう)。
  • アルコールはやめること。

肛門ガン

初期段階では痛みはあまりありません。進行具合によっては、肛門硬結、排便障害などがおこり出血も伴います。原因は、長期の悪化している痔瘻や下痢、軟便などに由来することが多いです。